
『終活』は人生の最期を見据えた活動のことです。
残された人生をできるだけ充実したものにするだけではなく、その後に残される人や身の回りの物のための準備をすることにもなります。
近年では、テレビや雑誌、Webサイトなどさまざまなメディアで取り上げられるようになり、一般的な言葉としても定着しつつある『終活』。 自分らしい最期を迎えるために、ここで改めて『終活』について学んでいきましょう。
目次
▼終活することの目的は?
▼終活することのメリットは?
▼老後の生活に関連してくる『契約』など
▼まとめ
▼終活することの目的は?

先ほど、終活は人生の最期を見据えた活動のことと言いましたが、具体的な活動については人によって異なります。
主な内容をあげると、遺産相続・遺品整理の手続きに関する情報をまとめたり、自分の人生観や半生をエンディングノートに綴ることが一般的とされています。
『終わり』という言葉から、人間の終わり=「死」という暗いイメージが付いてしまいますが、終活はこれからの人生を不安や悩みを払拭し、よりよい人生を送るためのプラスの活動になります。
終活の必要性
現代社会では少子高齢化や核家族化が進み、「頼れる家族がいない」という理由もあり、老後もしくは死後のために備える必要があると考える人が増えてきています。
また、医療の進歩によって日本人の長寿化が進み、高齢者が自分の治療や介護、葬儀・お墓に関心を持ったことで次第に必要性が向上していきました。
時代の変化・ニーズによって婚姻関連も様々な変化があります(離婚・再婚などの増加)
家族関係が複雑化することで遺産をめぐる相続争いが増えているとも言われています。
自分が亡くなったあとにトラブルを起こしてしまう事は忍びないと、これを防ぐために終活で財産整理をする方もいるようです。
▼終活することのメリットは?
そのような時代の変化が進むなかで、終活を行うメリットはどんなことでしょうか。
終活はその人自身の置かれている状況によって、何をするべきか、何がその人にとって目的なのかが異なります。
そのため、ご家族の有無、現在の体調の状況、ご自身が抱えているものなど、そういったものをひっくるめた上で一般的には次のようなメリットが挙げられます。
①老後の不安を解消し、前向きに生きていける

「人生の終わり」というと『死』をイメージしてしまいがちですが、終活をすることはいつか来る死の準備を行うためだけの活動ではありません。
人生の最期を考えることを通じて、これからどのように生きていくかの人生プランを思い描くことができます。
たとえば、若いころにできなかったことへ挑戦したり、老後の生活を豊かに過ごすため、資産形成をして、お金の不安を解消するもよし。
このように人生のプラン設計をすることで、老後に関わる漠然としたイメージを細かく作り上げることが出来ます。
②遺された家族の負担を減らすため

遺された家族は、死後に様々な手続きに追われることになります。
関わる手続きの一例ですが、
●何かあったときの友人、知人への連絡
●葬儀やお墓の手配
●遺品整理
●相続に関する手続きなど
※ただし、遺産相続などは『遺言書』または『遺産分割協議書』がないと効力を発生しないため、別途作成が必要になります。
これら死後に必要な様々な手続きを予め準備したり行っておくことで、遺された家族の負担を軽減できます。
各ご家庭のご事情によって、必要と思われる物事について希望や手続きの準備に「エンディングノート」を活用することで、自身も家族も、心が軽くなることでしょう。
③自分の半生を振り返ることで、気持ちを整理することができる
自分の半生を振り返ることがスタートになります。
そのような振り返りを通し、これまで自分が楽しかったこと、苦労をしたこと、それを思い返すことで悩みや不安なことを整理することにつながります。
このように自分と向き合って気持ちを整理することで、これからをどう生きていくか考えることができます。
人生でやり残したことを思い出すことで、残りの人生を悔いのないものにすることができることでしょう。
▼老後の生活に関連してくる『契約』など
ご自身が仮に急な病であったり、認知症を発症して判断能力が低下した場合に、契約を結べなくなることがあります。
そうなってしまってからは遅いので、そうなる前に所定の契約手続きをしておくことで、いざという時の判断も任せられますし、安心して老後を過ごすことができます。
これがすべてというわけではありませんが、自分がどれに当てはまっているのか、活用できるかを認識して、利用できるものは活用しましょう。
■利用できる制度・契約■
①継続的見守り契約
②財産管理委任契約
③任意後見契約
④死後事務委任契約

◆継続的見守り契約

まだ元気で自分で生活ができているうちに、体力や判断能力の低下などの将来の心配に備える契約です。
身寄りのない方や家族に先立たれてお一人住まいの方などは、判断能力が低下した場合に誰も確認することが出来ず、任意後見契約をしたにも関わらず申し立てを家庭裁判所へする事が出来ないという状況を防ぐ契約にもなります。
具体的な方法は、定期的に電話連絡で近況確認を行うことや、2~3か月に一度、直接面会して、健康状態や生活環境のチェックを行うといった内容になります。
その名の通り自身を『見守って』もらう契約ですね。
◆財産管理委任契約

判断能力には問題はないが自分では財産管理や支払い等ができなくなった場合に備えて、体が衰えてきたり、判断能力が低下してきたときに、財産を管理等をして、生活をバックアップするための契約です。 こちらの契約をすることで預貯金の管理から公共料金の支払いをしたり、収入・支出の管理など、自身が管理をしているけれどもその管理を任せたいということを契約に定めることにより、その行為を委任する人へ代理してもらうことができます。
判断能力の低下前の状態で『契約』を結び、好きなタイミングで効力を発生させることが出来ます。
しかし、同じ内容とはいえ後述の任意後見契約では『後見監督人』がいるため不正のチェックなどをしてくれますが、財産管理委任契約ではそのようにチェックをする人間はあくまで『本人』のみです。
つまり自身の判断能力が低下した際に不正をチェックが出来なければ、この代理人は財産について自由に出来るという事です。
そのためこの契約は迂闊に組まず、内容を慎重に検討したうえで契約を交わすことが大事です。
◆任意後見契約

将来、自分が認知症などで判断能力が低下した場合に備え、あらかじめ、自分が選んだ援助をしてくれる方(任意後見人)に、自身の看護や遺された財産管理などを、代わりにしてもらいたいという事を公正証書によって記述し、契約で決めておくものです。
判断出来るだけの能力がある状態で後見人を選ぶことが出来るので、ご自身が必ず信頼できる、頼ることが出来る方を選任できます。
任意後見契約の効力は、自分自身の判断能力が低下した段階で、家庭裁判所に申告をし、後見監督人が選任されてから発生します。
この契約では、主に以下のようなことが対応できるようになります。
例)
財産管理、金融機関の取引代行、公共料金等の支払い
生活用品の購入や支払い等、税金の申告・納付手続き
医療・入院・介護の契約、要介護認定の手続き
◆死後事務委任契約

『死後事務委任契約』とは、死後に必要となる様々な行政等に関わる手続きを、ご自身の現状やご希望にそったかたちで、第三者へ委任する契約になります。
そのため、非常に重要な契約と言えます。
主な内容としては、次の事項の例に記載してあるようなことを委任することができます。
例)
葬儀関連
(ご遺体の引取り、死亡診断書の受領、死亡届の提出、火葬許可の取得、通夜や葬儀の形式の決定、埋葬・供養の指定)
行政関連
(健康保険・介護保険・国民年金・厚生年金の抹消手続き、入院費の精算や解約などの手続き、住民税・固定資産税の納税手続き)
生活関連
(遺品整理、水道・ガス・電気等の公共サービス解約や精算、友人知人への連絡、ペットの里親探し・お引渡し)
内容によっては「エンディングノート」が関わってくる箇所もありますが、エンディングノートはあくまで『希望』なので、実際には法的効力がありません。
そのため身寄りがない人であれば、友人・知人・介護施設の方やホームの担当者などご自身が信頼できる方へ委託することが出来るのが、この死後事務委任契約になります。
実際、ご自身が亡くなられた直後から誰かが葬儀の手続きやご遺体の引取など、早急に対応しなければなりません。
そのため、もしもの状況になった場合でも対応をしてくれる方を選任し、死後の手続きは万全に対応できるよう、契約を結んでおくといいでしょう。
▼まとめ
終活に関しては、何から始めるべきかと悩まれる人も多いことかと思います。
加えて、個別のご事情によって必要な物事が異なるため、終活には正解もなければゴールもありません。
自分の最期をどのように迎えたいのかと今一度向き合って、必要な準備をしていくことが終活です。
その中で<それぞれの制度>や<契約>など、しっかりと理解をしたうえで自身の体調を踏まえ、備えておくことが重要です。
認知症などで判断能力が低下してしまってからでは対策の講じようがなくなってしまうため、
そこで困らないためにも、元気なうちに自分で身の回りのことを整理して準備をしておきましょう。
■終活のポイント■
●終活をしていることを、身内に伝えておく
●自身の今後のため、4大契約を結んでおくとよい
●エンディングノートの作成をしておく
●終活は死ぬ前の準備でなく、これからの人生をよりよく生きるための活動
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この記事の監修者
監修者:行政書士事務所カーズ 代表 行政書士 木村和彦氏

